国内

池田大作「名誉会長」の尊称が「先生」になった意味

「ポスト池田」体制の組織はどうなるか 共同通信社

 公称827万世帯を信者に抱える創価学会では、池田大作・名誉会長の「位置付け」に変化が見られる。今後、池田氏からの世代交代が生じた時、学会はどうなるのか、宗教学者の島田裕巳氏が解説する。

 * * *
 今、宗教界で注目されるのが、今後数年のうちに起きるだろう創価学会の世代交代だ。

 池田氏は高齢で、1月2日で89歳になった。副理事長兼SGI(創価学会インタナショナル)副会長の長男、博正氏が“世襲”するとも言われるが、池田氏自ら「世襲はない」と言ってきただけに、その可能性は低いだろう。

 世代交代という“Xデー”により、創価学会がどう変わるのかは予断を許さない。”後継者不在”という波乱要因があるからだ。

 それを象徴するのが、池田名誉会長を含む「三代会長」の敬称が「先生」とされたことだ(聖教新聞2016年11月5日付)。それに先立つ2015年、池田氏は、牧口常三郎・初代会長、戸田城聖・第二代会長とともに「永遠の師匠」として仰ぐ対象になっていた(*学会員が読むお経の内容や読み方を定めた「勤行要典」に明記された)。今回、その位置付けがさらに高められた印象だ。

 これは、創価学会が池田氏を仏教開祖の釈迦と同じような崇拝対象に位置付けたことを意味する。

 私の知る限り、池田氏はこの7~8年、公の場に姿を見せることはなくなったが、その池田氏を「永遠の師匠」や「先生」として学会員の崇拝対象とするあたりに、ポスト池田体制となった後も組織の求心力を保つため、池田氏の権威を借りたいという現上層部の思惑を感じる。

※SAPIO2017年2月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン