国際情報

仏国民戦線創設者 ブレグジット実現の次はフラグジット期待

「国民戦線」創設者のジャン=マリー・ルペン氏

 2年前『SAPIO』でフランスの極右政党「国民戦線」創設者のジャン=マリー・ルペン氏は「今日の仏社会は、基本的安全さえも犯されている」と嘆いた。2015年、同国ではテロが相次いだ。娘のマリーヌ氏が2017年仏大統領選の有力候補として注目されるなか、ジャーナリストの宮下洋一氏が、娘のマリーヌに期待すること、これからフランスが歩むべき道について聞いた。

 * * *
 今年5月の大統領選挙では、娘のマリーヌ・ルペン(極右国民戦線=FN*1)が大統領候補に挙がっている。

【*1 1972年、結党。当初は反共政策を掲げていたが、共産主義陣営の勢力が弱まるにつれて、死刑制度の復活や移民労働者の排斥という主張を展開していくようになる。現党首はマリーヌ氏】

 我が国はまだまだ左派陣営の力が強い。選挙にはバイアスがかかり、民意が直接投票に繋がるかは分からない。昨今のテロなどの国内事件によって、FNが台頭するかというとそんなに甘くない。

 組織内部に活力が欠けているのは明らかだ。私のような者は、すでに組織から追い出される始末である(*2)。もちろん、大統領選では奇跡は起こり得る。が、私はマリーヌの考えに不安を抱いている。

【*2 2015年、FN現党首マリーヌ氏が人種差別発言を繰り返し、反ユダヤ主義を標榜する父を追放。以降、FNはソフト路線に舵を切ったとされる】

 彼女は、政権をとるため、自らの政策を曲げ、左派陣営に媚びを売った。敵と戦うのではなく、敵に適応する道を選んでいる。彼女は(敵対者にとっての)“悪魔”であり続けるべきだった。

 彼女が大統領選を勝ち抜くには、40年間、揺らぐことのなかったFNの神髄に立ち戻ることだ。敵に迎合することなく、敵を叩くことを忘れてはならない。

 参考にすべき男がいる。そう、ドナルド・トランプだ。私は彼の勝利を望んでいたし、それが叶ったことに喜びを感じている。彼の戦略はお見事だった。

関連記事

トピックス

大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
タレントとして、さまざまなジャンルで活躍をするギャル曽根
芸人もアイドルも“食う”ギャル曽根の凄み なぜ大食い女王から「最強の女性タレント」に進化できたのか
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
30歳差コーチとの禁断愛の都玲華は「トリプルボギー不倫」に学んだのか いち早く謝罪と関係解消を発表も「キャディよりもコーチ変更のほうが影響は大きい」と心配の声
週刊ポスト
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
NEWSポストセブン