国内

かつての元号 菅原道真とその子孫が決定に関わっていた

平成31(2019)年1月1日で新元号に?

 天皇陛下の譲位のご意向を受けて、政府は皇太子さまへの譲位を平成31(2019)年1月1日とし、同日から新しい元号とする方向で検討に入った。元日に改元するのは国民生活への影響を最小限にするためで、事前に元号を発表する案も浮上している。

◆元号はどうやって決めるの?

 1979(昭和54)年に成立した元号法により、「政令で定める」、つまり、政府が元号を決めることになっている。昭和から平成に移った時に内閣官房副長官を務めていた石原信雄さんが語る。

「私が官邸にいた頃は内閣内政審議室が担当部署でした。漢学、歴史学、東洋思想などさまざまな分野の学者に新しい元号の原案を考えてもらい、過去に国内外で使われていないか、企業名や地名に重なるものはないかなどを細かくチェックして候補を絞りました。そして天皇崩御の直後に8人のメンバーによる『元号に関する懇談会』が開かれて3つの案の中から平成が支持され、その意見を受けて閣議決定しました」

 昭和天皇の崩御が午前6時33分。午後1時すぎから元号懇談会が行われ、午後2時10分には臨時閣議で新元号が閣議決定されたという。ちなみに他の2案は「正化(せいか)」と「修文(しゅうぶん)」だったとか。

◆新元号の準備はいつから始める?

「平成の時は、1979年に元号法ができてすぐに準備が始まっていました。その例から考えると、新元号の審議はすでに進められている可能性が高いと思います」(石原さん)

 ただし、誰が元号にかかわっているかは極秘事項で、かかわっている学者自身も決して明かすことはないそうだ。

◆昔はどうやって決めていた?

「昭和」までは天皇が決める形になっていた。

「古代から幕末に至るまでは、国の最高の意思決定機関である公卿たちが会議を開き、漢文学者の出してきた案を議論して、最終的には天皇がお決めになるお膳立てをしていました。ただし明治の時は、学者から出てきた3つの案の中から、最後に天皇自身が宮中の賢所(かしこどころ)でおみくじを引いて決めた。これは初めてのことです」(『日本年号史大事典』の編著者で京都産業大学名誉教授の所功さん)

 元号選びにかかわる学者には、“ある歴史上の有名な人物”の子孫が多かったという。

「今も学問の神“天神さま“として知られる平安前期の菅原道真です。平安後期以降は、ほとんど彼の子孫が大きな役割を果たしていました」(所さん)

撮影/雑誌協会代表取材

※女性セブン2017年2月2日号

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン