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富裕層の資産寄付制度導入なら日本は財政最優等国になる

大前研一氏が提言する資産寄付制度とは?

 世界で富裕層が増加しているというニュースが相次いでいる。もちろん、日本も例外ではない。一方で、国の借金は増えるばかりだ。経営コンサルタントの大前研一氏が、富裕層の資産を有効に活用し、日本の財政を立て直すプランを紹介する。

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 国際NGO「オックスファム(Oxfam)」は1月16日、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏やSNS最大手フェイスブックの共同創業者マーク・ザッカーバーグ氏、インターネット通販最大手アマゾン・ドットコム共同創業者のジェフ・ベゾス氏ら世界で最も裕福な富豪8人の資産額と、世界人口のうち所得の低い半分に相当する36億人の資産額が同じだという報告書を発表した。

 日本でも富裕層が増加しているとするデータがある。野村総合研究所が昨年11月に発表した調査によると、2015年に預貯金、株式、債券、投資信託などの純金融資産保有額(保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた値)が1億円を超えた日本の「超富裕層」「富裕層」は121.7万世帯で2013年より20.9%増えたという。

 2015年時点で純金融資産保有額が5億円以上の超富裕層は7.3万世帯で、2013年に比べて35.%増加し、1億円以上5億円未満の富裕層も114.4万世帯で同20.0%増えた。

 野村総研は、2013年時点では純金融資産が5000万円以上1億円未満だった準富裕層と1億円以上5億円未満だった富裕層の多くが資産を増やし、それぞれ富裕層と超富裕層に移行したことが原因と分析。富裕層・超富裕層の純金融資産総額は合わせて12.9%増え、2015年時点で272兆円に達して2000年以降で最高になったと推計している。

 実質賃金が上がらず、控除や手当が減らされる一方の一般サラリーマンにとっては納得しづらい数字かもしれないが、株高などの影響で、富める者がさらに富むという状況になっているのだ。

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