スポーツ

レコードを6枚出した江本孟紀氏 その驚きの印税額

5枚のシングルと1枚のアルバムをリリースした

 かつてプロ野球界では、レコードを出すことがスター選手の証しだった。現在は野球評論家として活躍する江本孟紀氏もそのひとり。5枚のシングルと1枚のアルバムをリリースした江本氏が、“音楽活動”について振り返る。

 * * *
 僕の現役時代は、レコードを出すのは1つのステータスでした。各球団の主力選手になると、だいたい出していましたからね。特に1970年代のパ・リーグは不人気で、球場はガラガラ、テレビ中継も全くない時代でしたから、宣伝の意味合いも大きかった。球団も乗り気でしたし、オフにプロ野球選手の歌番組に出るときは、「名前売るために勝ってこい!」と檄を飛ばされました。

 1973年に『あぶさん』のテーマ曲で初めてレコードを出した時、野村克也監督だけは「芸能人みたいなことするな」と批判的でしたよ(笑い)。ヤクルトの監督になってからは意識が変わったようで、CDを出していますけどね。

 僕は法政大時代に、合宿所で下級生に観客になってもらって、ギターの弾き語りをしていました。それくらい歌は好きで、井上陽水さんやビートルズをよく聴いていました。でも、レコード用に用意される曲はなぜか演歌ばかり。当時の野球選手のイメージがそうだったんでしょうね。

 それでも、阪神時代の『恋する御堂筋』は藤圭子さんの作詞をしていた石坂まさをさんに、引退後の『アカシヤの面影』は石原裕次郎さんの作曲をしていた鶴岡雅義さんに書いてもらいましたからね。豪華なものですよ。

 プロ野球の統一契約書には、「副業の場合は球団と選手で折半する」と書いてあった記憶があります。でも、実際に儲けを取る球団はなかったと思いますよ。売れないですし、僕も1枚売れても数円しか入らないなら、ボールを投げているほうがいい(笑い)。でも、今も印税が年に1000円くらいは入ります。

 飲み屋に行くと、「カラオケに入っているから歌ってくれ」といわれて困るんですよ。そういう時は「今は歌手が本業だから、タダじゃ歌わないよ」と返すと、皆引っ込みますね(笑い)。

●えもと・たけのり/1947年生まれ、高知県出身。1971年、東映入団。この年は無勝利で終わるが、翌年トレードで南海入りすると16勝挙げ、エースとなる。

■撮影/藤岡雅樹 取材・文/岡野誠

※週刊ポスト2017年2月10日号

関連記事

トピックス

大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン