芸能

ビートたけし「失敗した芸能人はとりあえず外せ」の風潮批判

ビートたけしがスキャンダル芸能人の処遇について語る

 昨年から今年にかけ、様々な芸能人がスキャンダルを起こして謹慎やテレビ・CMなどへの活動休止を余儀なくされた。不倫騒動が発覚したベッキー、経歴詐称騒動のショーンK(ショーン・マクアードル川上)……。タレントたちが次々と姿を消す状況について、ビートたけし氏は著書『テレビじゃ言えない』の中でこう分析している。

 * * *
 何が「一億総活躍社会」だ。オイラはそもそも、この頃のニッポンは「一億総自主規制社会」だと思ってる。

 最近は、別に犯罪行為をやったわけでもないタレントがスキャンダルで叩かれて、世間から「一発退場」になってしまう。『ゲスの極み乙女。』のボーカルと不倫騒動を起こしたベッキーも、それまで「超」がつく人気者だったのにテレビから一瞬にして姿を消してしまった。

 テンプル大学卒業、ハーバードでMBA取得といったプロフィールがほとんど嘘とバレたコメンテーターのショーンK(ショーン・マクアードル川上)も、出演番組すべてを失ってしまったよな。

 こういうスキャンダルを笑いのネタにするのはアリだけど、「ひどいヤツだ」と真剣に怒って一気に退場に追い込んでしまうのは、寛容さがまったくない。すごく居心地の悪い監視社会だよ。

 結局、こういう「右にならえ」の一斉外しという対応は、企業側が「コンプライアンス」だの「モラル」だのいくら言い訳したって、つまるところは「トラブル回避のための自主規制」でしかない。

 要はCMスポンサーに降りられたり、「何でアイツを使ってるんだ」と世間から袋叩きに遭うのがイヤなだけなんだから。それって、クラスでのイジメを見て見ぬフリしてる気弱な中学生と変わらない考え方だ。タレントを早々に降ろして「リスク回避できた」みたいに胸を張るのは、何か違和感があるんだよな。

 別に、「ベッキーはタレントとして優秀だから、どんな批判があっても出演してもらいたい」とか、「ショーンKはコメンテーターとして有能だから経歴が違おうが問題ない。大事なのはコメント能力だ」って、続投させるテレビ局があったっていいと思うんだけどな。そのほうが仁義のある、誠実なテレビ局だって考えはないんだろうか。こんなオイラの意見は、ただの時代遅れなのか。

 世の中が「たった1回の失敗も許されない社会」になってるのは本当に怖い。

 1年ちょっと前、当時中学3年生の男の子が、学校側のミスで「1年生の時に万引きをした」って濡れ衣を着せられて、志望校への推薦がダメになって自殺したって話があった。その経緯については報道以上のことを知らないんでおいておくとして、一番おかしいと思うのは「中1の時の失敗がなぜ何年経っても尾を引いてしまうのか」ってことだ。

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