しかし、彼女の驚くべき特技は、事件現場で死体のマネをすること?なのである。第一話。最初の被害者が椅子に座ってロープで首を絞められたと聞くと、さっそく現場の椅子に座り、「こんな感じ」と自らロープを巻いて「ウエッ」と目をむき、舌を出す。続く二番目の被害者がドラム缶の上に落下してうつぶせに倒れていたと知ると、さっそく自分も白目を見せて「ウエー」と死んだふり。ものすごい形相である。
これまでも古くは『ケイゾク』の中谷美紀、『ストロベリーナイト』の竹内結子、『アンフェア』の篠原涼子などいざとなるとすごい形相で事件を追う女性刑事も登場しているが、わざわざ現場で「顔芸」を見せるタイプはいなかった。しかも、「顔芸」は特に事件解決に結びついていないし…。
情報番組の街角インタビューなどでは、小松のイメージは「ミステリアス」が大多数。『僕は明日~』で共演した福士蒼汰も番組のインタビューで「底が見えない感じ」と語っている。「底が見える女子」というのもどうかと思うが、要するに次に何をしてくるか、予想もつかない面白さがあるということだろう。じーっと落ち着いたイメージかと思ったら、先日、NHK『土曜スタジオパーク』に出演した際、『スリル!』の相棒小出恵介から「(撮影中は)遠くを見ているか、ウロウロしているか」でじっとしているのが苦手だと暴露された。
また、アドリブが多いというこのドラマでは腹黒弁護士役の山本耕史からベレー帽を「しめじみたいな頭」とアドリブで言われると、すかさず「しめじじゃねえし、帽子だし!」と反撃。ベレー帽愛を見せたりもする。高校時代はチアリーディングも経験しているという。
『スリル!』の監督からは顔芸も含め、小松は期待以上の演技を見せてくれると高く評価されている。体育会系の本人はもっともっとと頑張っているうちに予想以上のことをしてしまい、それが「ミステリアス」になっているのかも。小松菜奈の「違う顔」「変顔」はまだまだ出てくる予感がする。