小池ブレーンには住民投票の効用を知る人材も事欠かない。東京都の市場問題PT座長の小島敏郎・青山学院大学教授は、小池知事の盟友である河村たかし・名古屋市長のブレーンでもあり、同市の経営アドバイザーも務めている。その河村市長は2011年に市議会リコールの住民投票と市長選、愛知県知事選のトリプル選挙を仕掛けて勝利した。
「名古屋の実践例を知る小島座長は自治体の政治が行き詰まった時、打開する手法として住民投票が有効だとよくわかっている。その見立ては小池知事にも伝わっているはずだ」(同前)
住民投票を実施するには、議会で住民投票条例を成立させなければならない。2015年の大阪府の「都構想」住民投票では可決から投票まで2か月の時間があり、その間、各党が賛成論、反対論を展開して盛り上がった。都民ファーストを看板に掲げる小池氏が、都議選に合わせて住民投票を行なう場合、安倍首相の解散の先手を取ってゴールデンウィーク前に臨時都議会を招集し、豊洲移転の住民投票条例を成立させなければならない。
そうなれば、7月2日の首都・東京は都議選と総選挙、そして住民投票という過去最大のトリプル劇場選挙となる。
※週刊ポスト2017年3月17日号