国内

アレルギー原因物質を口にする「経口免疫療法」効果とリスク

アレルギー改善の「経口免疫療法」にもリスクが

 食物アレルギーを持つ子供たちは増え続けている。文部科学省の2013年の調査では、全国の公立小中高で食物アレルギーを持つ児童生徒は2004年の2.6%から4.5%に増えている。2012年12月には、東京都調布市で給食でチーズ入りのチヂミを食べた小学5年生の女児が死亡するという悲惨な事故が起きた。このケースのように“誤食”は命にもかかわるだけに深刻だ。

 佐藤紀子さん(仮名・41才・主婦)の18才になる娘は生後5か月の時から、鶏卵、小麦、ごまのアレルギーで苦しんできた。

「初めての離乳食として、食パンを粉ミルクに浸したパンがゆを食べさせました。すると5分か10分くらいでパーッとじんましんが出て、くしゃみが止まらなくなって…。すぐに病院に連れていくと『アナフィラキシーを起こしている』と言われました。その時は点滴をしてもらい、なんとか回復しました。後日、採血してアレルギー検査をすると、重度の食物アレルギーがあると診断されました。母乳だったので私は卵や小麦などは完全にやめる。もちろん本人にも食べさせないのがスタートでした」(佐藤さん)

 娘が1才の時から、大人から食べ物をもらっても「ありがとう。アレルギーだから食べられないんだ」と言うよう教えてきたという。

「小学4年生までは給食は食べずに、1人だけお弁当を持たせていました。給食がトーストだとパン粉が飛び散るので、みんなとは離れて先生の近くに机を運んで。先生からは他の生徒にも『食べた後には手を洗って』と話してもらいました。症状が少し落ち着いてからは、机をちょっと離して、飛ばしたり食べこぼしたりしないお行儀のいい子のそばで食べていました。なるべく他の子と一緒にさせたいと思っていたので…」(佐藤さん)

◆「ぼっち給食」になる子供も…

 小学4年生の途中からは、アレルギーの原因物質ではない果物と牛乳だけをもらう形で給食をスタート。

「その学校で作っている給食で理解のある先生だったので、お友達とちょっと違うメニューを作ってくださって、6年生の時には給食が食べられました。それでも何回か、何かがまざってしまって救急車で運ばれたことがありました」

関連キーワード

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン