だが、今のところ小池新党の公認候補15人のうち、女性はフジテレビ社員の入江伸子氏ら3人にすぎない。そのため、候補者選考の面談は、「女性から優先的に行なわれています。面談では『希望とは別の選挙区でも出馬できますか』と聞かれた。女性を積極的に出馬させたいのだと思いました」(都議選対策講座に参加する女性区議)という。
そんな意向もあってか、リストには女性の名前が目立つ。その職業や肩書きはバラエティに富んでいた。
「スピリチュアルカウンセラーで国民的美魔女コンテストのファイナリスト」、「グラフィックデザイナー」、「元キャビンアテンダント」や「カジノの女性ディーラー」、「1980年代に大流行したファッションブランドの創業者」だ。
その中でもすでに知名度があり、目玉候補になると見られているのが東京MXテレビ(当時)の元看板アナの天野ひかり氏(現NPO代表)、IQ145以上を売りにする秀才タレントである利咲(りさ)氏、美人歯科医としてメディアに登場する照山裕子氏、『ヤングマガジン』などの青年漫画誌のグラビアを飾ったグラドルの穴繁あすか氏だ。
天野氏、利咲氏の所属事務所は、希望の塾の「都議選対策講座」を受講していることは認めたものの、利咲氏のマネージャーは「コメントはお断わりしている」と回答。天野氏の事務所は「勉強のための受講であり、本格的に政治に進むことは考えていない」と答えた。歯科医の照山氏は本人がこう語った。
「都政改革に挑む小池さんは以前から私の憧れの存在でした。ただ、入塾してみると周りの入塾者の政治への熱意に圧倒され、私はまだまだ勉強が足りない、全然お呼びでないと自分の立ち位置を冷静に考えざるを得なくなった。政治の世界への関心を失ったわけではないし、実際に面談も受けましたが、万が一、公認をいただいても今回は辞退させていただくと思います」
グラドルの穴繁氏はこう答えた。
「グラビアに出たのは知人の紹介でお手伝いをしただけ。グラドルではありません。そうなれれば良かったのですが……(笑い)。出馬については、現在、小池塾内で都議選候補者を検討している大変デリケートな時期に、個人とはいえ、取材を受けるのは控えたい」
小池氏の「すごい経歴の女性」の候補選びは難航しているようにも見える。
※週刊ポスト2017年4月7日号