国内

小池劇場 「豊洲市場移転の先送り」はそろそろ限界だ

小池知事は7月の都議選を見据える

 都民は徒にリスクばかりが喧伝される事態を望んでいるわけではないはずだ。豊洲市場移転問題について、都政に詳しいジャーナリスト・広野真嗣氏がレポートする。

 * * *
 小池百合子・都知事の人気を盤石なものに押し上げてきた「豊洲劇場」が山場を迎えている。「移転延期」の判断以降、地下空洞問題などを浮き彫りにして支持を広げてきたが、「食の安全・安心」を前面に押し出す手法がここにきて裏目に出はじめた。一体何が起きているのか──。

 石原慎太郎・元知事、浜渦武生・元副知事への証人喚問にワイドショーの関心が集まる中、築地市場関係者の間で注目されたのは日本テレビが3月17日〜19日に全国の有権者を対象に行った世論調査だった。「早く豊洲に移転すべき」が31%と、「移転を断念し築地を建て直すべき」の25%をはっきりと上回っていた。

 昨年11月に現職幹部やOBの処分で終わった地下空間問題に加え、今年1月には豊洲の地下水モニタリング調査で環境基準の79倍のベンゼンなどが検出された。さらに世論調査の最終日の3月19日には環境基準の最大100倍のベンゼンなどが検出されたが、それでも「移転すべき」が凌駕していることは意外に受け止められた。

 というのも1か月前、媒体こそ異なるが朝日新聞が行った世論調査(2月18〜19日)では「移転をやめるべき」が43%で「移転を目指すべき」の29%と反対の結果だったからだ。

 有権者の反応は偶然ではない。この間に“逆転現象”を促すファクトが立て続けに明らかになった。

◆小池知事も認めた「法的に安全」

 最大のポイントは、小池知事自身が14日、一問一答方式の都議会の予算特別委員会で、「(豊洲新市場は)法的に求められている点はカバーしている」と認めたことだ。土壌汚染対策法が求める対策を施して完成させた施設である以上当たり前だが、この点について小池氏が認めたのは就任以来、初めてのことだ(答弁を変遷させながら最終的に小池氏が容認するに至る当日の“ドラマ”については3月25日発売の月刊誌『WiLL5月号』で詳報した)。

 小池氏は「法令を上回る措置を講じることが東京都の意思だ」と、法令では求めていない地下水の環境基準がまだ達成されていないことを強調したが、その言葉を繰り返すほど、皮肉にも、開場に向けた法的な条件は揃っていることが明確になるのだ。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
【無理にやらなくていい&やってはいけない家事・洗濯衣類編】ボタンつけ・すそあげはプロの方がコスパ良、洗濯物はすべてをたたむ必要なし
【無理にやらなくていい&やってはいけない家事・洗濯衣類編】ボタンつけ・すそあげはプロの方がコスパ良、洗濯物はすべてをたたむ必要なし
マネーポストWEB
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン