ダイエット効果を得るには3か月ほど食べ続けるべきだという。もち麦だけを炊いて食べる方法もないではないが、白米に比べるとやや味気ない。味に飽きないために、もち麦と白米を混ぜたもち麦ごはんをすすめる専門家が多い。
関連商品も増えている。兵庫県の福崎町では特産のもち麦を広く知ってもらおうと「株式会社もちむぎ食品センター」を設立。もち麦の成分を練り込んだ「もちむぎ麺」が人気だ。同センター広報担当の話。
「福崎町では1980年代の終わりごろからもち麦を使った商品の開発研究を開始し、精麦したもち麦を石臼で砕いて作るもちむぎ麺を完成させました。予想を上回る売れ行きで、当時は4ヘクタールくらいだったもち麦の作付け面積が直近では50ヘクタールまでに増えています」
医療機関ももち麦の健康効果には注目しており、静岡県の県立がんセンターは7年前からセンター内のレストランでもち麦ごはん(もっちり麦御飯/150円)を提供しているという。
また、全国24店舗をチェーン展開する「ごはんととろろ とろ麦」では、定食メニューにつくごはん(もち麦ご飯、雑穀米、じゃこご飯)全てにもち麦が入っている。
「2015年のチェーン設立以来、もち麦ごはんは白米9にもち麦1の割合で提供してきました」(運営するフーズジャパン広報)
市民権を得つつあるもち麦については、「免疫機能を高める」という新たな機能も注目されている。
「マウスなどの実験で、他の穀物に比べて多く含まれているβグルカンという水溶性食物繊維を経口投与すると、脾臓や小腸の免疫機能が高まるという作用がわかってきました。
また、βグルカンの働きにより腸内は善玉菌が優位に立ち、便秘などが改善され老廃物が効率よく排出されます。そうなると、大腸がんのリスクを下げることも期待できます」(前出・松生氏)
ブームはまだまだ広がりを見せそうだ。
※週刊ポスト2017年4月7日号