二人は既に“対面”を果たしており、ブルゾンはジュンコ氏からあたたかい言葉をかけてもらったと聞く。
今年2月には『ニノさん』(日本テレビ系)で「コシノギドラ」なる怪獣に扮し、嵐の二宮和也に人生を説いたことも。「自分の家こそ美しくしていたい」「なぜ他人が作った服を着ないといけないの?」などと言い切るジュンコ氏に、二宮は「カッコイイ」と感心しきりだったという。
そして、「トータル・ファッション・アドバイザー」YOKO FUCHIGAMIだ。これは、ロバート秋山の「クリエイターズ・ファイル」の中でももっとも有名なキャラクター。3月25日にはオリジナルグッズ付のブックレットが2冊同時に発売。パナソニックの大ヒット商品「衣類スチーマー」の発表会ゲストにも招かれ、家電メーカー主催のイベントにはめったに来ない、著名なスタイリストや、セレブ雑誌のエディター、ファッションジャーナリストら250人が集まった。
そんな出席者の中で話題になっていたのが、「YOKOは、コシノヒロコ先生やコシノジュンコ先生を思わせる」ということ。YOKOは1957年生まれという設定なので今年還暦を迎える。「その年代のファッション関係者がリスペクトしている日本デザイナーといえば、ヒロコ先生やジュンコ先生」「ロバード秋山さんは、絶対にコシノ3姉妹を参考にしているハズ」というのである。
思えば、沢尻エリカ主演のドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ系)に出てきたファッション界の大御所女性も、コシノ3姉妹をモデルにしていた気がする。余貴美子や、『カーネーション』に続いて出てきた夏木マリだ。
つまり、日本人の多くが想像する“ファッションデザイナー=コシノ3姉妹”。そして、その後継者としてユマ氏が居るということは、「素晴らしいことだし、うれしい限り」と目を潤ませるファッション誌のエディターも居た。
さらに興味深いのは、有名女優やファッショニスタと呼ばれる女性タレントのスタイリングを手がけるアラフォーの著名スタイリストの弁だ。「私たちの世代だと、ミチコ先生のお洋服にもっとも馴染みがあって、ヒロコ先生やジュンコ先生のお洋服は敷居が高くて、ほとんど着ることはありませんでした。でも、“1周回って”いまの若い人たちは、ヒロコ先生やジュンコ先生含め、コシノ3姉妹が編み出す世界を『カッコイイ』『素敵』と思っているようです」
確かに、「コシノヒロコ秋冬コレクション2017」の会場では、20代の顧客と思しき女性たちがランウェイに熱い視線を送っていたし、取材に訪れたファッション関係者の中にも若手の姿が多数あった。
KHギャラリー銀座で開催中のコシノヒロコ氏が金子國義氏とコラボした温厚で上質な“EROS”な絵画空間も若い層には新鮮に映るだろうし、年配層とはまた異なるパッションを抱くかもしれない。
ファッションの流行は何年周期かで巡ると言われているが、「コシノブランド」ブームは間違いなく到来している。