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三越伊勢丹や東電 火中の栗を拾うサラリーマン社長の悲哀

三越伊勢丹HDの新社長の悲哀とは

 火中の栗を拾う──そんな表現がしっくりくるような社長交代が、今春、大手企業で相次いだ。百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、この3月7日、大西洋社長(61)が辞任する人事を発表した。

 大西氏は、婦人服がメインの百貨店業界において新宿伊勢丹メンズ館を成功させた人物で、業界では“ミスター百貨店”と呼ばれた。ブライダルなどの新事業を展開しながら、不採算店の整理を進めてきたさなかの突然の辞任だった。経済ジャーナリストの片山修氏はこういう。

「大西氏は突っ走るタイプで、経営会議に諮っていない地方店の閉鎖を勝手にメディアに話して大問題になった。組合を筆頭に大西おろしに動き、最終的には石塚邦雄会長に引導を渡されたとされています」

 その“カリスマ”の後任として4月1日、杉江俊彦専務(56)が昇格して新社長に就任した。杉江氏は1983年に慶応大法学部を卒業後、伊勢丹に入社。業務改革のため、リアルタイムで在庫を単品管理する非常に先進的なシステムを導入するなど、ITに強い人物。

「杉江氏は大西氏の部下として働いていた伊勢丹閥。基本的には不動産業(店舗貸し)に舵を切るのではなく、百貨店そのものを復活・再生させる大西路線を継承していくと思う。ただ、ネットやファストファッションが台頭し、業界に逆風が吹いているなかでの再建は、厳しい仕事だと思います」(前出・片山氏)

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