セブン&アイHDでは、セブン-イレブンを巨大チェーンに育て上げたカリスマ経営者、鈴木敏文氏が2016年5月、創業家との“お家騒動”の末に退任。子会社のイトーヨーカ堂ではこの3月から創業者の伊藤雅敏名誉会長の直系といわれる三枝富博氏(67)が新社長となった。
三枝氏は約20年間、中国の四川省に駐在し、中国事業を一から立ち上げた人物。中国に赴いたのは、鈴木氏との確執からといわれる。『経済界』編集局長の関慎夫氏はこう語る。
「三枝氏は中国から帰国するたびに伊藤名誉会長に会っていたようです。鈴木氏が変えたヨーカ堂の店舗ロゴを昔の鳩のマークに戻すのと合わせ、セブン&アイでは鈴木氏から伊藤氏への大政奉還が起きている。しかし、三枝氏は国内で経営を指揮した実績がなく、ヨーカ堂の再生を果たせるかは未知数です」
2016年2月期の赤字転落の要因はPB衣料部門の不振だが、創業家が衣料への思い入れが強いなかでどう改革するかが課題だという。
※週刊ポスト2017年4月14日号