ライフ

聖徳太子か厩戸王か論争 井沢元彦氏が称号の謎に迫る

作家の井沢元彦氏の見解は

 小学校では「聖徳太子(厩戸王・うまやどのおう)」、中学校では「厩戸王(聖徳太子)」と表記すべし──文部科学省が今年2月に発表した、「聖徳太子」に関する学習指導要領改定案には、「混乱を招く」と反発が広がった。その後、小中学校ともこれまで通り「聖徳太子」で統一することになったが、この騒動の背景には多くの奥深い謎がある。本誌・週刊ポスト人気連載『逆説の日本史』の作家・井沢元彦氏が解説する。

 * * *
「聖徳太子」というのは死後に送られた称号で、本名は「厩戸皇子」、または「厩戸王」です。ですから歴史学者が、正確を期すため本名の「厩戸王」で呼ぼうとするのは悪いことではありません。

 しかし一方で、彼の功績が「聖徳太子」という名前とともに長く語り継がれてきたこともまた事実です。決してこの名前は教科書から消すべきものではありません。

〈厩戸王は用明天皇(31代)の第二皇子で、厩屋(馬小屋)の戸の前で生まれたことから「厩戸王」と名付けられたとされている。最初の女性天皇である推古天皇(33代)のもとで摂政として権勢をふるい、十七条憲法や冠位十二階を制定し、遣隋使の派遣などを行なった。死後、「聖徳太子」と呼ばれたのも、彼の功績が偉大だったから──というのが通説である。しかし、井沢氏はまったく別の視点から「聖徳太子」の称号を捉える──〉

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン