芸能

故・鈴木則文監督 座右の銘は「下品こそ、この世の花」

東映ポルノの巨匠・鈴木則文氏(写真:共同通信社)

「照明はまんべんなく当てて、人物に影は作らない。ピントも奥まで合わせて画面に深みを出さない。そのほうがどっちもバカに見えるだろ?」

 そう言って、東映の監督・鈴木則文は呵々大笑したという。芸術作品など糞くらえ、観客が喜んでナンボと言わんばかりだ。

 鈴木は1970年代から1980年代にかけ、『トラック野郎』から空手アクション、さらには松田聖子の主演作や菊池桃子のデビュー作まで撮った娯楽映画の帝王であるが、その名を今に残すのは、1970年代前半に量産した「東映ポルノ路線」であろう。

 鈴木のもとで脚本や助監督を務めた映画監督・関本郁夫氏がその系譜を解く。

「もともと石井輝男監督が『異常性愛路線』をやっていて、いわゆるエログロと呼ばれてヒット作は多かった。ただ、石井監督は人使いの荒さとかいろんな問題があり、プロデューサーの判断で鈴木さんにバトンタッチした形だったね」

 鈴木を知る者は、誰もが「こうぶんさん」と呼ぶ。映画の議論になると、すぐ興奮することから名づけられたが、それだけではないと関本氏は言う。

「興奮してはいても、誰かが意見を言うと『ああ、そうかそうか』と耳を傾ける人。それに、いろんな人を育てた。僕を監督にしたのもそうだし、菅原文太は売れない頃から鈴木さんが飲みに連れて行ったりしていた。その絆が『トラック野郎』に結びついたんだと思うよ」

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン