「はちみつが乳児ボツリヌス症の原因ではといわれるようになったのは1980年代で、厚生労働省が指導するようになったのは1987年。ですから、赤ちゃんにはちみつを与えてはいけないことを今の祖父母世代が知らないのは、仕方のないことなんです」(武井さん、以下「」内同)
1才未満の乳幼児には、やはりボツリヌス菌を避けるため、黒糖やコーンシロップも禁物だという。
「自家製の野菜スープも避けてください。野菜についた土の中にいるボツリヌス菌を充分に排除することができず感染する可能性があります」
常温で一晩寝かせたカレーについても、ルーに具材のうま味が溶け出す、逆に具材に味がしみこむなどの理由であえてそうする人も少なくなかったが、それが食中毒を引き起こす危険性が高いことが知られてからは御法度となった。
ウエルシュ菌についても警鐘を鳴らす。
「常温のまま寝かせずに、あら熱を取ったら必ず冷蔵や冷凍をし、食べるときに温めなおすようにしてください」
さらに、1才未満の幼児には、アレルギーの観点から生卵、牛乳は慎重に、ピーナッツ、かに、えびなどは2、3才くらいまで待つのが無難だという。
離乳食として野菜スープや半熟卵を与えていた世代にとっては驚くことも多いが、こういった変化に敏感でないと、最悪の事態を引き起こしかねないのだ。
「この機会に、食べさせてはいけないものを家族全員で再認識してください。健診に同行したり、母子手帳をみんなで読んだりするだけでも、新しい発見があるはずです」
安心して孫の面倒を見るためにも食の知識の更新が必要だ。
※女性セブン2017年5月4日号