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香港で暴れ回った最凶のギャング 服役中にがんで死亡

香港の最凶ギャングが服役中に死亡

 1980年代から1990年代にかけて、香港の繁華街でAK47機関銃を乱射しながら、銀行や貴金属店を襲撃し、警官隊との銃撃戦で多数の死傷者を出すなど、「香港史上最も凶悪なギャング」といわれた服役囚、葉継歓が4月19日未明、がんのため、香港の病院で死亡した。香港人ならば、葉のことを知らない人はいないほど有名なギャングだった。享年55。

 葉を主人公にしたギャング一味3人の凶行や半生は映画化され、「樹大風招(大樹は風を招く)」と題して昨年4月、公開されると大きな話題を呼んだ。封切りから5週間で約1000万香港ドル(約13億円)の興行収入を記録する大ヒット作品となり、昨年の第36回香港国際映画金像賞で最高映画賞や主演男優賞など5部門を受賞している。

 葉は1962年、中国広東省で生まれ、貧しさから逃れるため、17歳で香港に密入国。仕事を転々として正業につけず、20代初めで強盗事件を繰り返して警察に追われるようになった。1984年には香港随一の繁華街、セントラル地区の貴金属店を襲撃して逮捕されるが、1989年に仮病を使い、病院へ搬送途中に脱走。一時は中国大陸に逃げて、身を潜めていたがが、1991年には再び香港に戻り、ギャング団のボスとして数々の凶悪事件を引き起こしている。

 とくに有名な事件は1993年の九龍地区の繁華街、モンコックで機関銃を乱射して警官隊と80発以上の激しい銃撃戦を展開したことで、通行人の女性が銃撃を受け巻き添えで死亡してしまった。その後も、AK47や爆発物を使い7軒の貴金属店を続けて襲撃、1980年代から1990年代のほぼ10年間で計2000万香港ドル相当の貴金属や現金を強奪したといわれる。

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