国内

しんぶん赤旗 全国紙をも上回る取材力の秘密、編集局訪問

編集局に潜入(しんぶん赤旗のHPより)

 日本共産党が発行する政党機関紙、しんぶん赤旗の特徴はなんといっても、全国紙をも上回る取材力にある。

 さかのぼること50年以上前の1966年、「田中角栄氏の秘書グループらが奇怪な河川敷買い占め」(日曜版)を特報している。今太閤と呼ばれた田中角栄氏を退陣に追いやる引き金となった立花隆氏の「田中角栄研究」が『文藝春秋』に発表される8年も前に、その金脈に触れる記事を掲載していたのだ。

 共産党の路線と赤旗のスクープが補完関係にあるのも興味深い。共産党が労働問題を追及していた2004年、赤旗は「極秘資料入手 ピンハネ月収の28%」(日曜版)と題して、偽装請負で働く人の実情を取り上げた。これをきっかけに偽装請負問題は大手有名企業にまで波及した。

 震災後に党が脱原発を強く打ち出すと、「九電が“やらせ”メール」(2011年)で、九州電力玄海原発の再稼働に向けて九電が関係会社に再稼働賛成の投稿を依頼していたことを暴露した。

 昨年は、「稲田防衛相 3年間で520万円 疑惑領収書『白紙』で受領認める」(日曜版)で、白紙領収書で政治資金を使う慣習を告発。いずれも全国紙が後追い取材を余儀なくされ、国会でも赤旗の記事を追及材料にした論戦が行なわれた。

 全16ページの紙面はどうやって作られているのか。渋谷区にある共産党本部にほど近い建物にある赤旗の編集局を訪ねた。赤旗を印刷する別会社のビルを間借りしていて、下の階には「1時間に11万部の印刷能力」の高速輪転機もある。赤旗の小木曽陽司編集局長が答えた。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン