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藝大卒DJが母校分析 「藝大生はブレーキがない人たち」

──DJを始めるとき、子供たちには何か声をかけるのですか?

アボ:直接、何かを働きかけることはしません。踊らなくてもいいと思っています。参加するのも退場するのも自由です。人とおしゃべりするのが楽しくなったり、みんなが踊っているのを見るのが好きな子もいるかもしれない。音楽から得たインスピレーションで、たとえば頭の中に絵や色が浮かんで、お絵かきしたくなることもあるかもしれない。どんな形であらわれるかに優劣はありません。彼らには、ガイドブックのない旅のような体験をできる場所を提供したいと思ってDJをしています。

──最近は小さい頃からダンスを習う子供が増えています。音楽がかかったら、習ったダンスをするものだと思っている子供も少なくないのではないですか?

アボ:キッズダンスが流行っていることもあって、器用に踊れる子供は増えていると思います。でも、僕のDJで踊るときは、音楽を聴いて解釈した上で踊ってほしい。それを確かめるために、ヒップホップを大人顔負けに踊っている子がいたら、全然違うノリの音楽、たとえばモンゴルの民族音楽をミックスするんです。すると、綺麗に踊っていた形がだんだん、崩れていきます。

──モンゴル音楽は音階が5つで拍がないものがあるなど、学校の音楽で教わる12音階と均等なビートは大きく違うので戸惑いますね

アボ:そういう知らない音楽が自分に飛び込んできたとき、どう解釈してどう表現するのか。その問いを受けとめ、音楽を感じて表現してほしい。大人が子供に望むような形にならなかったとしても、自分でしかありえない視点で何かを受け止め、それを自分でしかあり得ない形でアウトプットできれば100点だと思います。この、自分で感じたとおりに自由に表現する経験は、人生のあらゆることに関係してくるはずです。

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