衝撃波治療で、肥厚した腱膜に衝撃波を当てると集まっていた神経が壊され、神経伝達物質も減少する。その上、衝撃波自体が細胞を刺激するため、組織修復が再開されて痛みが緩和される。

「衝撃波は、痛い場所を中心に2000~3000発照射します。麻酔をかけずに痛みの場所と程度を患者さんに聞きながら、低い出力から照射し、徐々に出力をあげていきます。1か月に1回、計3回を1クールとして治療を実施します」(高橋副部長)

 通常2回目の治療以降に痛みが楽になることが多く、3か月経過した段階で約7割が、1年を経過した段階では約8割の患者の痛みが緩和する。

 しかし、高齢者の中には、かかとのクッションの役割をする脂肪組織がつぶれて痛みが出ている症例もある。その場合は、衝撃波治療をしても効果が得られないことも多く、治療開始前にMRIなどの画像検査による確定診断が欠かせない。

●取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2017年5月19日号

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