野中氏、綿貫氏、宗男氏はいずれも小泉政権時代の“竹下派弱体化工作”というべき党内抗争で引退や離党、失脚に追い込まれた人物たちだ。政治ジャーナリストの野上忠興氏が指摘する。
「二階氏が3人を復権させたのは引退議員の名誉回復というだけではなく、田中派―竹下派の持っていた政治基盤を復活させる狙いが見て取れる。野中氏は農業土木事業を取り仕切る全国土地改良事業団体連合会(全土連)の前会長で、農業票に力を持つ。綿貫氏は田中角栄がつくった全国治水砂防協会の現会長でダムや災害復旧などの公共事業に影響力がある。宗男氏は今も北海道の建設・農業票をしっかり握っている」
※週刊ポスト2017年5月26日号