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2017.05.19 07:00  女性セブン

住職が「私も死んだらここに入る」 永代供養墓とは何なのか

◆住職が「私も死んだら、ここに入ります」

 紹介したいのが、東京・新宿区早稲田にある龍善寺(浄土真宗)の永代供養墓だ。「近隣に住む単身の人たちの多くは、後継ぎがいない。需要が多いはず」と住職の平松浄心さん(58才)がいち早く着眼し、2004年に造られた。

 お墓が並ぶ境内の一隅に立つが、何よりの特徴は、モニュメントがまるで現代アートのようにスタイリッシュなことだ。

 参拝スペースはモノトーンで、ゆるやかな曲線を帯びている。幅約3m、高さ2mほどの黒御影石2つがシンメトリーに、壁のように立つ。中央の隙間から、6段の階段を経て、高さ4m以上ある白いドーム状の塔が覗ける。公園を背にした立地のため、贅沢にも緑の木々が借景である。

 伺った日は、水差しに数セットの花束が立てかけられ、お線香の香りがした。

「手前の参拝スペースが現世、6段の階段が六道輪廻、奥の白い塔が来世を表しています。来世の極楽浄土の世界でご遺骨をお預かりするイメージです」と、自らデザインを構想した平松住職が言う。

 カロートは塔の中に広がる。地上部分には棚が設けられて骨壷ごと、地下部分は遺骨をバラで合葬するスペースだそうだ。参拝口に「いのち」を表すという球体のオブジェがあり、そこに水をかけると、合葬スペースへと流れ込む。床は土なので、遺骨を土に還すことを促す仕組みだそうだ。都会の真ん中で、やがて土に還れるとは、想像の外だった。

「どのようにしたら、私自身がこの永代供養墓を大切なお墓だと思ってお勤めできるかと考え、この形になりました」

 お坊さんだって人間だ。モチベーションを上げてお勤めするには、モニュメントとして美しく、合理性があるほうがいいという意味だろうが、「16年前に他界した先代住職、50年前に他界した先々代住職のお墓でもあるんです」とも聞き、驚く。ましてや「私も死んだら、ここに入ります」。それなら、お寺にとって最も大切な場所ではないか。

 使用価格は、骨壷ごと収納して33年後に合葬スペースに移すコースが33万円、最初から合葬スペースに収納するコースが28万円、分骨が3万円など。

 ホームページで告知するや否や、全国から申し込みが相次いだ。当初は「お墓がなく、家で遺骨を保管していた」という人たちが主流だった。ところが徐々に、継承者がいない人はもとより、継承者となり得る子供がいても敢えて選ぶ人、家墓から夫婦の分だけ分骨して収納することを希望する人たちに多様化したのだそうだ。先代、先々代の住職も眠るお墓だと認知されていったことも一役買っているに違いない。

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