例えば「ピラセタム」には頭痛や下痢の副作用が、「ストラテラ」には肝機能障害の副作用が指摘されている。薬物問題に詳しい「芦屋JINクリニック」院長の神三矢先生が語る。

「海外から輸入されるものには粗悪品や偽物もあります。のみ合わせ次第では健康被害が出ることもありえるし、脳が未発達の子供が医師の処方箋もなしに服用すれば、どんな影響が出るかわかりません。精神的な依存も無視できない上、国内では記憶力がよくなるなどの医学的な効果のある薬としては承認されていません」

 前出・西崎院長の元には、最近、スマートドラッグの依存症になった中高生が相談に来ることが増えたという。

「薬のせいで生活リズムがメチャクチャになり、心身に変調をきたして医者を頼るんです。どこでこんな薬を手に入れたのかと聞くと、スマホを見せるわけです。“先生、簡単に買えるよ”って。服用するうちに体が耐性を持ち、のむ量がどんどん増えていく。体が未発達の中高生がこんな薬を乱用していたら、普通は真っ先に親が止めるべきでしょう。なのにその親が黙認してるケースも多い」(西崎院長)

 最大の問題は、中高生にとって、スマートドラッグが違法薬物への入り口になる危険性を秘めていることだ。前出の西崎院長が語る。

「小さい頃から薬に頼るうちに、問題を自力で解決しようとする意志や集中力、注意力といったものが失われていく。結果的に覚せい剤や大麻などへの抵抗感まで薄れていき、違法薬物に手を染める“心の隙間”が生まれるわけです。目先のことだけ考えて、サプリ感覚でスマートドラッグを子供に与えている保護者は、その先に重大な落とし穴があることを認識するべきです」

※女性セブン2017年6月1日号

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