阪神のバースが3割8分9厘を残した1986年は、“猛虎打線”の爆発で21年ぶりに阪神が優勝した翌年。このシーズン、47本塁打を記録したが、あと6本ヒットを打っていれば、4割を超えていた。
当時、阪神の打撃コーチを務めていた竹之内雅史氏はこう語る。
「1986年は掛布(雅之)と岡田(彰布)という後ろを打つ選手の調子が悪く、後半戦ではバースばかり徹底マークされた。それでも、もしバースに『足』があれば、確実に4割に届いたとは思います。私の現役時代だと、張本(勲)さんなど4割を狙える人はみな足が速かった。甲子園は浜風で左バッターに不利だから、打つだけでは厳しいですね」
近藤に置き換えて考えれば大谷や中田翔といった主軸を打つ選手が復調するかがカギを握るということになるし、内野安打の多いタイプではない近藤がどれだけ「足」を使えるかも注目となる。
※週刊ポスト2017年6月2日号