なんかなりきっている。何故なら、私の目が今、いちばん最後に見たのが上戸彩ちゃんだからなのだ。そんな自分の微かな変化を、他のかたかとワイプを心地よく見て、“まさかの自分!?”と見つけ焦ってわれに返ったり! ギョッとすると同時に魔法はサッサと解け…あっ、私だった…と。
宝塚時代もそうだった。ある下級生の時は「大地真央さんみたいな男役になりたい」と思い、真央さんのブロマイド写真を楽屋にペタッ、寮にペタッ、と張っていつも眺めておりました。日に日にかけ離れていた容姿の私が、これがだんだん大地さんっぽくなってくるのですね(ファンのかたから今、ジャブが入ったような…さすがに限界はありますよ、限界は)。
さらに『風と共に去りぬ』でレット・バトラー役が来て、「クラーク・ゲーブルまたは、あの高貴な麻実れい様になりたい!」と洋画とターコさまの舞台を穴が開くほど見つめておりましたら、私のキャラとは程遠い役柄だったにもかかわらず、当たり役!なんて褒められ、これまた少しだけ、少しだけ似させていただいたのですね(だから叩かないでくださいっ!)。
容姿や仕草だけでなく、さらには男役で「今、男役でウエストのくびれとか要らないし、いっそ男の人みたいな体つきになりたい」と日々思っていたら、体も忖度(覚えましたね、この言葉)。そう忖度。察するんですね~。体形が日に日に男性寄りになり、ウエストはなく胸も見る見る平らになっていった。そう、人は「こうありたい」と願えば、体さえも進化するのだ。水泳選手の手のひらに水かきだってできるわけです。
だから「こんなふうになりたい」という理想が皆様にあれば、そのかたを見つめ続けることをお勧めします。夫婦が似ているのは、なんだかんだ日々あっても、自分の顔を見ている時間の何倍も相手の顔を見ているからかもしれませんね。無意識に仲睦まじい証拠ですかね。
けんかしてたからにらむように見入った…なんて声も今、どこからか聞こえたような(笑い)そっくりな仕草の親子、ワンちゃんネコちゃんと双子さんのように似てらっしゃる飼い主さん、またそっくりなご夫婦のかたがたにすれ違うと、いつもなんだか、そんなクスッとした温かい時間をいただいてる私です。
撮影/渡辺達生
※女性セブン2017年6月1日号