◆「ACE阻害薬」と同等!?
30年ほど前に「日本一の長寿村」として有名になった山梨県棡原(ゆずりはら)村(現・上野原市)で、「食べる甘酒」は長く親しまれてきた。上野原市企画課担当者がいう。
「棡原はお米が取れる地域ではないのですが、麦麹を使った甘酒を飲む習慣があります。甘酒に加え、水の代わりに甘酒を使って生地を練る『酒まんじゅう』を食べることも、高齢者が元気でいられる理由だと思います」
「食べる甘酒」にはどんな力があるのか。
【善玉菌を増やして大腸がんを予防する】
最大の特徴は、「食物繊維」と「オリゴ糖」を豊富に含むことだ。
「『食べる甘酒』を摂取することで腸内の善玉菌が食物繊維とオリゴ糖を食べると、『酪酸』という物質が生まれます。酪酸は大腸を動かす最大のエネルギー源であり、腸内を活性化して様々なプラス効果をもたらします。酪酸は、大腸内でがんの原因となる酵素・βグルクロニターゼを抑制することが広く知られています」(前出・桑島医師)
人間の腸内には約500種類、100兆個もの腸内細菌が生息するとされる。それらの細菌は人間の体調と密接に関係しているのだ。