国内

成人本自販機全撤去宣言する自治体続出、消滅した県も

1980年代には幹線道路沿いに無人の自販機ショップが続々登場した

 昭和の時代、街中にひっそりと佇んでいたエロ本の自動販売機。近年、すっかり見かけないあの箱はいったいどこにいったのか? 3年半にわたって全国中を探し求め、『あの日のエロ本自販機探訪記』を上梓した黒沢哲哉氏が青春時代の原風景が残る世界へと誘う。

 * * *
 自販機専用に制作されたエロ本、いわゆる「自販機本」が出現したのは1975~76年頃。その数年前に登場した雑誌の自販機に関わる業者が、エロ本の出版社と組んで自販機本を作り始めたのだ。エロ本自販機は瞬く間に広まり、『ポルノ雑誌の昭和史』(川本耕次著)によれば、その数は1977年11月時点で全国に1万台、東京では3500台が稼働していた。しかも、その頃はたばこの自販機と同じように、夜でも人通りのある道路に置かれていた。

 その頃の自販機本で活躍した篠塚ひろみ、寺山久美、小川恵子を覚えているだろうか。経費を抑えるために起用された素人モデルだが、彼女たちのルックスレベルは高かった。特にぽってりした唇がエッチで、陰のある無表情が妙にそそる小川恵子は人気が高く、中原みすず、三浦美保などと名前を換えていろいろな雑誌に登場した。

 ブームになった自販機本に世間の批判が厳しくなり、業界はそれをかわすため、自販機に銀色のミラーフィルムを貼って昼間は商品サンプルが見えにくくしたり、住宅街に置かれた自販機ではおとなしめの表紙を見せて並べる、といった自主規制を行なった。それ以上に強い逆風も吹いた。1978~79年頃、専門書店で売られる形で人気となった“ビニ本”の登場だ。過激さにおいて自販機本はビニ本に劣った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
水原一平の賭博スキャンダルを描くドラマが「実現間近」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」、注目される「日本での公開可能性」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン