チームを立て直すことができず、中畑氏は最下位に沈んだ責任をとって監督を辞任した。セ・リーグで開幕ダッシュを決めた球団が交流戦で同じような悪夢に見舞われているのは興味深い。2014年の広島はリーグ首位で交流戦を迎えたが、9勝15敗と失速し、首位争いから脱落した。中畑氏は自身の経験を踏まえてこう分析する。

「前提としてパの球団のほうが地力は上。しかも野球は“やってみて分かること”ばかりのスポーツです。普段は対戦しない選手について、スコアラーからの情報は持っていても、ほとんどイメージ通りにはいかない。いざ打席に立ってみると“全然違うじゃないか”ということはたくさんあるし、絶好調だった選手が突然絶不調に陥ったりする」

 予想外の開幕ダッシュに成功したチームには、“嬉しい誤算”とも呼ぶべき選手がいるのが常だ。そうした選手が調子を崩せば、影響はチーム全体に及ぶのだろう。今季の阪神についても同様の懸念は拭えない。セ・リーグの上位球団がつまずく要因として、中畑氏は「DH(指名打者)制」を挙げる。

「セのピッチャーはDHに慣れていない。上に1番から9番まで息を抜く暇がないので、普段は使わなくて良い神経を使わなくてはいけない。“野球の質”がいっぺんに変わってしまう」

 2015年のDeNAも、交流戦で投手陣が崩れた。

「最大の敗因は、“守り切れなかったこと”だと思う。当時、1年目の山崎(康晃、24)を抑えに抜擢し、その前に三上(朋也、28)や、左の田中(健二朗、27)といった若手を起用し、“勝ちパターン”ができ始めていた。

 しかし、交流戦に入るとリリーフ陣が打ち込まれた。それまで最高の働きをしていた山崎だが、同点の場面で登板させるとからっきしだったからね。経験が少ないなか、いい試合をしても終盤で力負けして、勝ちパターンを作れなかった」

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