昭和世代の変わらぬ“憧れ”といえば、ラジコンだろう。近年は宙を舞うドローンにその座を奪われつつあるが、それでも子供そっちのけでラジコンカーに夢中になる30代以降の姿も多く見かける。
バンダイのラジコン部門を担うシーシーピー(CCP)からは、水たまりや砂ぼこりの中もガンガン走る『Gドライブエコプラス(税抜6980円)』シリーズが不動の人気。9年間で約100万台を売り上げている。
「前後進のスピード調節ができる機能や電池寿命が格段に延びたことはありますが、ラジコンとしての楽しみ方は昔から変わりません。小さな子供はもちろん、昔は高額でラジコンを買ってもらえなかったという親世代からの人気も高い」(シーシーピーのトイ・ホビー部担当者)
親子で楽しめるすごろくの定番『人生ゲーム』(タカラトミー)も来年で発売60周年を迎えるロングセラー玩具だ。プレーヤーの職業やマス上で起こる出来事は、シリーズ発売時の時代を反映する言葉が並ぶなど工夫を凝らしている。
最新版の『人生ゲームMOVE!(税込4298円)』でも、ギヤを回して天気(景気)が変わったり、職業=投資家、お宝=VRメガネなど“今どき”を表す要素が満載だが、やはりボードゲーム本来の機能は変えていない。
「小さな紙幣を必ず付属させているのは、皆で遊びながら“お金を手渡す”コミュニケーションを大事にしているから。もちろん、スマホアプリなどで人生ゲームを出せば人気になるでしょうし、そうした新しい方向性も常に考えていますが、ボード版は昔ながらの楽しみ方を忘れないよう開発しています」(タカラトミーのゲーム事業部担当者)
今回のおもちゃショーでは、地球儀型立体ボールの上で吸盤のコマを張り付けて遊ぶすごろく『地球まるごとすごろく(メガハウス/税込4298円・7月発売予定)』も登場。家族や友人たちとの対面コミュニケーションが希薄になりゆく現代にあって、懐かしいすごろく遊びがますます再評価されそうだ。