「仮に来季、巨人がいくら補強したところで、生え抜きが育たない限り、浮上は有り得ない。過去のデータがそう証明しているわけです。2006年当時は逆指名ドラフトで選手を獲得できましたが、現行制度ではそうはいかない。育成を怠ってきたツケ、継ぎ接ぎの補強で乗り切ってきた歪みが今出ているとも言えるでしょう」(同前)
WBCで開花したかのように思えた2013年ドラフト1位・小林誠司はレギュラーシーズンでは調子に乗れず、期待の2014年ドラフト1位・岡本和真は開幕1軍こそ手にしたものの、1か月も経たないうちに登録抹消された。2015年ドラフト2位・重信慎之介もまだ十分な結果を残せているとは言い難い。
10連敗を喫した6月4日のスタメンを見ると、生え抜きは先発投手の宮國を含めて4人。クリーンアップは全て“外様”だった。
「もちろん最低限の補強は必要ですし、ポジションは競争を勝ち抜いて奪うもので、与えられるものではない。ただ、同じポジションにレギュラークラスが被ってしまうような補強は疑問ですし、若手のやる気を削ぐことにもなる。現在の低迷を機に、巨人は補強頼みの悪いクセを改め、生え抜きを一から育てることに主眼を置くべきではないでしょうか。V9の頃から補強はしていましたが、あくまで生え抜きの足りないパーツを埋めるためにしていた。今こそ、原点に立ち返るときではないでしょうか」(同前)