国内

政治に占い導入 レーガン氏や朴槿恵氏、安倍首相も

国家の大事を占いに委ねていた朴槿恵前大統領

『占いと中世人』(講談社現代新書)の著者で歴史学者の菅原正子さんは、「有史以来、人間は降りかかる災難を“天の意思”で解釈してきました」と指摘する。

「迷ったり困ったりした時、人間が頼ったのが『占い』です。現在のように科学技術が発達する以前は、上流階級から一般民衆まですべての人々が占いを信じていました」

 占いと日本人をめぐる歴史は長い。日本最古の歴史物語である『古事記』には、古代人が「太占(ふとまに)」と呼ばれる、鹿の骨を焼いてできたひび割れで吉凶を占ったことの記述がある。歴史上の偉人と占いとのかかわりも強く、例えば藤原道長と足利義満は陰陽道、武田信玄は易占いを好んだという。

 中世の庶民は盗難に遭うと、占い師に犯人を捜してもらった。日本人の生活の隅々にまで行き届いた“占い信仰”は「今なお続いている」と菅原さん。

「今もほとんどの雑誌に西洋占星術などの占いが載っていて、テレビでも軽めの占いが盛んです。私の周囲には重要なことは占い師に相談するという人が結構いますよ」

 スピリチュアリティーを研究する愛知学院大学文学部教授の伊藤雅之さんは「人間は意味づけしないと生きていけない」と見ている。

「人徳のある人が病気などで早くに亡くなってしまったりする一方で、どう考えても悪さし放題の人が長生きだったり…と社会には不条理なことがたくさんあります。それに対して、意味を求めるのは当然のこと。

 西洋だと『神がいるのになぜ連続殺人犯がいるの?』と神に対して疑問をもつところですが、日本の場合、宗教で解決する役割を、占いが少し踏み込んでやる場合もあるということですね」

 古来、国内外を問わず占いに頼ってきたのは、国や組織のリーダーたちだ。

 ナポレオンは古代エジプトの占いの書『運命の書』を手放さず、重要な決断をするときに必ずこの占いを行っていたというし、米国のレーガン元大統領は妻ナンシーが傾倒する占星術師の指示に従って自分のスケジュールや国の重要政策を決定したとされる。

 最近も記憶に新しい2件の「政治案件」があった。1つは韓国の朴槿恵前大統領(65才)のケース。

 朴槿恵は親友の崔順実に機密情報を漏洩した件をきっかけに大統領を弾劾された。その崔順実は韓国の伝統的な霊媒・占い師であるムーダンとして朴槿恵の信頼を得て、さまざまな政治案件に“お告げ”を与えていたとされる。

 韓国事情に詳しいタレントの大桃美代子が言う。

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン