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夏希31歳 私が「42歳FB友達1000人男」に幻滅した瞬間

◆「こんなに自分好きな人だったんだ!」

 以来、毎日ラインのやり取りをし、1週間後、夏希さんと公一郎さんは2人で都内のビアバーに出かけた。オープンテラスのある、気持ちのいいお店。これまで、同世代としか付き合ったことのない夏希さんだったが、年上もいいかも、と思い始めていた。なにより、公一郎さんの押しが、心地よかった。

 メインの肉料理が来たとき、歓声をあげた夏希さんを、公一郎さんはスマホで撮影した。「おー、めちゃくちゃカワイイ!」。写真を撮るのも上手いのだ。その後、ツーショットを、公一郎さんが何度も自撮り。顔を寄せて写真を確認しては、2人で笑いあった。

「次の週末、トレッキングに行かない? 夏希ちゃんと歩きたいな」

 もちろんOK!と即答した。うまくいきそうな予感で胸が膨らんでいた。夏までに彼氏をつくる、という友人と掲げた目標が、少なくとも自分は達成できそうだと、安堵もした。

 公一郎さんは家の前まで送ってくれ、別れ際、言った。

「あ、今日の写真、フェイスブック(FB)にあげるから見てね! 夏希ちゃんはFBやってなくてちょっと残念だけど、オレ、けっこう友達多いんだ。これまでの写真も、よかったら見てよね」

 このとき、ほんの少し、嫌な予感がした。

 SNSはほとんどやっておらず、FBは数年前に登録したもののほとんど開いてもいない夏希さんだったが、部屋に到着するなり、FBで公一郎さんを検索した。すると公一郎さんの友達は1000人以上。毎日1回以上更新。バーベキューの写真も20点ほど掲載。若い女性とのツーショットも多かった。何より引いたのは、必ず自分(公一郎)の顔写真が載っていることだった。

「こんなに自分好きな人だったんだ!」と、夏希さんはびっくりした。

◆友達1000人は、何ものにも代えがたい財産なのか

 ほどなく、公一郎さんのFBに、ビアバーでの2ショットが掲載された。夏希さんが見た時点で<いいね!>は100件以上つき、<うらやましい!>とか<独身貴族!>といったコメントが並んでいた。

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