原発批判の安斎育郎立命館大学名誉教授は、オカルト批判でも有名で、私も共鳴する点がいくつかある。彼は東大で原子力工学を専攻していた。それ故にこそ原発批判に説得力もある。
かのマルクスは若い頃に身の危険を感じ、大英帝国に亡命した。そして大英帝国がその政治力と経済力で作り上げた大英図書館に籠って『資本論』を書いた。大英帝国が“愚かにも”開放的であったからであり、マルクスが敵の資産の価値を知っていたからである。日本学術会議のお偉い先生方は何を考えておられるのだろうか。
●くれ・ともふさ/1946年生まれ。日本マンガ学会前会長。著書に『バカにつける薬』『つぎはぎ仏教入門』など多数。
※週刊ポスト2017年6月23日号