──では、「安倍一強」を覆す方法論があるのか。
小沢:野党が力を合わせて徹底して戦うこと以外にない。例えば、もうすぐ都議選がある。(都民ファーストの会の)小池百合子君がようやく(6月1日に)自民党を離党したが、それまで自民党籍を持っていたこと自体が間違いなんだ。彼女が都知事選で得た291万票は、石原都政、猪瀬都政、舛添都政という自民党と混然一体の権力を改革することへの期待票だった。
リーダーは有権者が自分に何を求めているかを常に考えなければならないのに、彼女は自民党に片足をかけ続けて行き詰まってからの離党でしょう。ちょっと遅かりしという感は否めない。僕はまだ彼女が本気で腹を括ったのかわからない。
──その小池都知事も野党結集に加わるわけではない。小池新党に都議選で一番票を食われるのは自民党より民進党と見られている。
小沢:なぜ小池君が都知事選で圧勝したのか、みんな勘違いしているのではないか。安倍政権は選挙に大勝して支持があるように見えるが、実は自民党の票は全然増えていない。前回総選挙は2009年の総選挙と比べて投票率が20%近く落ちている。
ざっと2000万人が投票に行っていない。都知事選ではそうした「眠っていた反自民票」が小池君にどっと流れた。野党が受け皿をつくって彼らを投票所に来させることができさえすれば、一気に勝てる。それにはやはり野党結集から始めるしかない。