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【著者に訊け】大竹昭子氏 13の物語『間取りと妄想』

大竹昭子氏が『間取りと妄想』について語る

【著者に訊け】大竹昭子氏/『間取りと妄想』/亜紀書房/1400円+税

 1枚の間取り図がある。それは単純な線の向こうに無数のドラマを予感させ、単なる次元の違いを超えて妙味や可能性を孕む代物だ。そんな想像力を刺激してやまない間取りが、大竹昭子著『間取りと妄想』には13も登場する。そして物語も13。つまりこれは間取りという平面と人々が生きる空間の、のっぴきならない関係性を巡る小説集なのだ。

〈旗竿地〉と呼ばれる変形地に建つ、「船の舳先にいるような」の三角の家。年頃の兄弟が個性を育む、何もかもが左右対称な「ふたごの家」。1人の男を女と猫が取り合う「どちらのドアが先?」の、居室よりバルコニーが広い賃貸の一室……。少々クセのある家々は、そこに住む人々の精神性にすら影響し、果たして人が家を作るのか家が人を作るのか─―。それが問題だ!

「元々のアイデアとしては、以前『間取りの手帖』(2003年佐藤和歌子著)という本があったでしょ? あの蒐集ぶりに私は共感して、最初は既存の間取りを小説化しようかとも思ったんです。でもいざ探してみると意外とバリエーションがなかったり自分の妄想と一致しなかったりで、自分で一から線を引くことにしたんです。

 私自身、間取りは子供のときから大好きで、人の家に呼ばれるのも大好き。集まりそのものや、インテリアへの興味は薄く、あくまで家目当て。どうやら私は家の躯体や骨格を愛でているらしいんです(笑い)」

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