「芸能界に未練があったからじゃなく、別れたから働かなくちゃいけなくなったんです」
この頃、東京・渋谷の円山町でラブホテルの経営もしていた。
「一度、千駄ヶ谷の連れ込みホテルに入った時、部屋も布団もすごく汚らしかったんですね。良い思い出を作る場所なのに、悲しくなった。じゃあ、私がホテルを作ってみようと。大阪のラブホテル街にも行って研究しましたよ。『紅白』に出場した時の衣装を切って、布団の生地に使いました。もう着ないだろうと思ったから(笑い)」
【プロフィール】さつき・みどり/1939年生まれ、東京都出身。1956年、『ものまねのどじまん』(ニッポン放送)で優勝し、審査員の宮城秀雄(宮城まり子の弟)に才能を認められる。1958年に『お座敷ロック』でデビューし、1961年に発表した『おひまなら来てね』が大ヒット。その後も『来てねシリーズ』『芸者シリーズ』をヒットさせる。1975年の東映ポルノ映画『五月みどりのかまきり夫人の告白』をはじめ、日活ロマンポルノにも主演し、熟女ブームの先駆けとなる。一方、独学で始めた油絵が1989年に「二科展」に初出品初入賞し、書道や着物デザインでも才能を見せる。現在は、放送中のドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)にレギュラー出演する他、『夢コンサート』などに出演。今秋には新曲も発売予定。
取材・文■岡野誠 撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2017年7月7日号