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高層マンションに潜む数々のリスクと居住階ごとの衝撃データ

6月14日深夜、ロンドンの高層マンションで発生した大規模火災

 超高層タワーで大火災が発生。迫り来る炎と黒煙に300人の住人が逃げまどう──。ハリウッドのパニック映画の金字塔『タワーリング・インフェルノ』(1975年)さながらの光景が、現実に広がっていた。

 6月14日深夜、ロンドンの24階建ての高層マンションで火災が発生。火元は4階だったが、炎は外壁を伝って瞬く間に上階へ広がった。

 スプリンクラーも火災報知器も作動せず、多くの住人が逃げ遅れ、80人の死者を出す大惨事になった。(6月26日現在)

 テレビに映るショッキングな映像を前に、《うちのマンションは大丈夫なのか》《都心ではタワマンの建設ラッシュだが、しっかり対策はとられているのか》と、ネット上には不安の声が噴出したが、残念ながらロンドンのケースは“対岸の火事”ではない。

 昨今、日本では高層マンションが激増している。総務省が5年に1度行う「住宅・土地統計調査」によると、15階以上のマンションは2003年が32万5500戸で、2013年は84万5500戸。10年で倍以上に増えている。

 日本の消防法では、高さ31m(11階相当)を超える建築物を「高層建築物」と定義。防火扉やスプリンクラー設置など、さまざまな防災基準が定められている。

 だが、必ずしもそのルールが守られているとは限らない。2016年に東京消防庁が、都内の576棟の高層マンションに立ち入り調査をしたところ、8割が消防法に違反していた。内容は避難訓練の無計画、防災管理者の不在、消化器の不設置など多岐にわたる。

「この傾向は築年数の古い建物ほど強いです。建築時に遵守していた防災基準も、時が経つにつれてないがしろになっていく。住人側の意識も同様です。いざマンション内で避難訓練を実施しても、参加者がほとんどいなかった、というケースはザラ。“まさか自分のところで火事なんか”と、みなさん油断しているのです」(不動産関係者)

 高層マンションの落とし穴は、「高さ」そのものにもある。一例が、消防車の放水距離の限界だ。防災・危機管理アドバイザーで防災システム研究所所長の山村武彦氏が指摘する。

「11階より上の階には、はしご車でも放水が届きませんので、マンション内の連結放水管やスプリンクラーの設置が義務付けられています。それでも、絶対に安全とはいえないのが現状です」

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