デバイス留置時間は、約40分と従来のペースメーカーの植え込みに比べて短縮され、鼠径部の小さな傷以外は、皮膚を切開しないので感染症のリスクは低減される。心内に留置された本体は、経年とともに内膜で覆われるために電池の寿命の12年を経過しても取り出さず、2つ目を挿入する。MRI検査も可能であり、従来品のように外から本体が手に触れることもないので、ペースメーカーを意識することなく生活できる。

「リードレスペースメーカーの適応の多くは、心房細動による徐脈の方です。その他には、不整脈が停止した後の短時間の徐脈などがあります。さらには、人工透析のシャントのために同側の植え込みが困難であったり、静脈閉塞などにより、リードの挿入が難しい場合などです。これらの患者さんに対する治療法としてリードレスペースメーカーは、またとない装置といえます」(副島教授)

 今の段階では心室ペーシングのみであり、心房のタイプはない。従って心房と心室の伝導が障害される房室ブロックや洞不全症候群では、必ずしも最適なタイプではない。

 現在、年間6万人がペースメーカーを留置するが、高齢化の進行とともに、患者が増える傾向にある。認知機能が低下している患者では、本体を外から触るために切開部からの感染も多く、リードレスペースメーカーの導入が進む可能性がある。

●取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2017年6月30日号の記載内容に一部誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします。該当部分を訂正して掲載しております(2017年7月13日更新)。

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