国内

小池知事「犬の殺処分ゼロ」宣言に愛護団体が政治利用と批判

愛護団体が批判する理由は?

「犬の殺処分ゼロ、実現いたしました。やりました。私の知事選からの公約でもあるんですけれども、これを都として達成いたしました。ワンちゃんのほうです」

 6月1日の記者会見で小池百合子・東京都知事が発表したのは、東京都の犬の「殺処分ゼロ」を達成したという「成果」だった。スライド資料には〈都民ファーストでつくる「新しい東京」~2020年に向けた実行プラン〉として、2019年度までに猫も含めた殺処分ゼロを目指すとも掲げた。都の福祉保健局健康安全部環境保健衛生課は、ゼロ達成の背景をこう説明する。

「都の2015年度の(犬猫の)引き取り数は1772頭で10年前の5分の1以下になっています。そうなることで今までやむなく致死処分にしていた犬猫に必要な処置ができるようになり、処分をする必要がなくなってきているわけです」

 都民ファーストの会の公約でもある「殺処分ゼロ」が、さっそく達成されたというのなら、都内の動物愛護関係者にとっても朗報かと思いきや、こんな声が上がっている。

「今のままでは選挙の人気取りに犬猫を利用しているようにしか思えません」

 そう話すのは、動物愛護団体SALAネットワークの谷野加寿美代表だ。

「“殺処分ゼロ”は、ボランティア頼みの上で成り立つゼロなんです。殺処分を免れたことになっている犬猫のほとんどは都に登録するNPOなどの『譲渡対象団体』が引き受けて、里親を捜している状態。ブリーダーやペットショップの規制など、もっと根本的な政策が必要だと思うのですが、そちらはない。このままでは、選挙のための耳触りのいい目標でしかないと思います」

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