また、青柳氏は疾病リスクを下げるのに筋トレは必要ないとする。しかし、「仮に速歩きができないほど筋肉が減少している人であれば多少の筋トレが必要でしょう。高齢者の場合、5m歩く時間を計って5秒以上かかるなら専門家の指導を受けて多少、筋力をつけていくべきです」と付け加えた。
さらに速歩きする時間帯は、「夕方」が最適だと説明する。
「人間は体温が下がると免疫力が低下して、病気にかかりやすくなる半面、体温が1度上がると免疫力は60%アップします。
基本的に人間の体温は起床時が最も低く、夕方にピークを迎えてから就寝に向かって低くなる。夕方に速歩きをすると体温が上がり、就寝時の体温も高くできる。それにより平均体温が上がるので、免疫力の向上、健康維持につながる」(青柳氏)
中之条研究で導き出された黄金律に、自身の生活を近づけていく上で重要なツールとなるのが、研究の中でも用いられる「活動量計」だ。
複数のメーカーから製品が発売されていて、2000円~1万円ほどで購入できる。歩数計としての機能に加えて、「3~4メッツ(※注)」の中強度の運動をした時間が計測、表示される。
【※注/運動強度を表わす単位。寝転がって安静にしている状態の酸素消費量を1メッツとして、その何倍のエネルギーを消費するかを示す運動強度の尺度。ちなみに、低強度(1~2メッツ)は軽い家事、散歩、ゲートボールなど、中強度(3~5メッツ)はやや重い家事、速歩き、山歩きなど、高強度(6メッツ以上)はテニス、ジョギング、水泳など】