ドラマを見つつも、何だか音楽ライブの会場にいるみたい。たくさんの聴衆が、リズムにノって一つに共振していくあの感覚。「そうそう」と同調する快楽が、このドラマにはたくさん詰まっている。そして同調した後に残る苦さや深さ、爽やかさ。余韻がいい。
役者たちの演技も冴えています。視聴者を納得させる作り込んだ演技をした上で、それぞれのエネルギーを爆発させ、躍動しイキイキと動き回っています。まるでこのドラマで演じるのが嬉しい、と言わんばかりに。
「脚本、役者、演出」──ドラマの3本柱が見事に揃ったこのドラマ。
加えて、作品の魅力について私自身は5つのポイント──「テーマ力」「社会との関係力」「バランス力」「タイトル力」「装飾力(本筋以外での作り込み)」で測ることが多いのですが、この作品は……?
・テーマ力──人が生きる上での迷いと格闘と希望 世代が違えど普遍的な骨太テーマ。
・関係力──物語の内部に閉じこもらず、社会を映す鏡のようにリアル。
・バランス力──岡田将生、安藤サクラ、松坂桃李、柳楽優弥とタイプの違う、しかも力のある役者が揃いぶみ。
・タイトル力──伝わるインパクト大。言葉としても新鮮で面白い。
・装飾力──オープニング曲は感覚ピエロ。「あんたの正義は一体何だ?」とグルーヴが刺さる。高円寺風景や就活生の描写、細かい点までエッジが効いている。
ということで、明日7月9日はいよいよ後半へ突入。もう目が離せません。彼らの5年後、10年後も、見届けたくなる。