芸能

連ドラ『愛ある』 「出来過ぎ」設定こそこのドラマの肝

『愛してたって、秘密はある。』に主演する福士蒼汰

 今クールのドラマには話題作が多いが、そのひとつが連続ドラマ『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ系)だ。第2話で初回から0.5ポイント上昇して、平均視聴率8.7%を記録するなど好調。企画原案は秋元康さんで、福士蒼汰演じる主人公が、結婚を目前に控えながら、「父親を殺した」という秘密によって何者かに追い詰められていくミステリーだ。その見どころについて、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
『愛してたって、秘密はある。』は、あらゆる面で「出来過ぎ」のドラマである。まず、登場人物が「出来過ぎ」

 主人公の奥森黎(福士蒼汰)は、子供の頃から優秀で、現在は弁護士を目指す司法修習生として検察にいる。まじめで仕事熱心。第1話では自ら聞き込みなどして、傷害の再犯の疑いをかけられた青年の無実を証明、第2話では同級生を刺した少年の事情を知るため、わざわざ学校に出向くといった具合だ。

 そんな彼には婚約者・爽(川口春奈)がいて、彼女もまた検事を目指す優秀な女性。いわば、できすぎくんとできすぎさんの美男美女カップルなのである。

 その美男美女の生活環境もまた、「出来過ぎ」。爽がひとり暮らしする部屋は、十畳以上あるリビングを中心に家具も可愛いく、壁には趣味のいい棚とお洒落な飾りなどが並ぶ。さらに彼女の実家も、広々としたダイニング、蛇口も曇りひとつなくピカピカだ。中で一番気になったのは、バナナとリンゴとブドウが山盛りになった銀色足つき果物皿。こんな果物皿、久しぶりに見た。しみひとつないエプロンで美人ママ(岡江久美子)と料理する爽。自室も実家もモデルルームみたいなのだ。

 一方、黎のうちもなかなかなもの。白い透かし彫りの門扉を開けて入る庭付きの一戸建て。母晶子(鈴木保奈美)と二人暮らしには広すぎるくらいだろう。ただ、その庭には11年前、黎が撲殺した父の遺体が埋められているんですけど…。

 続いて設定も「出来過ぎ」黎を娘の結婚相手とは認めない爽の父(遠藤憲一)がバリバリの検事正で、兄(賀来賢人)もさまざまな事件を追うジャーナリスト。殺人の秘密を抱える黎の天敵ともいえる仕事をしている。それだけでも胃が痛くなるのに、突如、黎に父のことをほのめかすメールや縁の品が届いたり、第1話で庭から遺体が掘り返され、第2話では海に落とした父の車が発見される。庭にできた大きな穴を前に崩れ落ちる鈴木保奈美をみて、他人が留守宅で勝手にそんな穴を掘っても気づかれないのかと防犯状況が心配になるほどだったが、とにかく事態はどんどん深刻に。この流れで各回ひとつずつ証拠物件が増えて、黎が追い詰められていくってことなのか?

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン