芸能

津川雅彦 「ラブシーンは、殺陣である」

津川雅彦が伊丹十三監督の思い出を語る

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、作家の渡辺淳一氏と意気投合した理由、完璧主義だった伊丹十三監督作品に出演した思い出について語った言葉を紹介する。

 * * *
 津川雅彦は1980年から1990年代にかけ、渡辺淳一原作の作品をはじめとする文芸映画に多く出演、数々の女優と濃厚なラブシーンを繰り広げてきた。

「渡辺先生と気が合うと思ったのは、『《男男しい》と書いて《めめしい》と読むんだ』と話された時だ。僕も同感だった。優柔不断、嘘つき、嫉妬深さ──この点において男は、女に勝る女々しさの持ち主なんだ。僕の演技についても先生は『君は男の冴えなさ加減、卑怯さを出すことを充分分かってくれてる』と言って、可愛がってくれた。

 ラブシーンでは、観客は男優をあまり見ない。男の役割は、女優がどれだけ綺麗な肢体に見えるか、エロティックに見えるかの介添え役ということさ。女性の背中にこっちの手を入れて胸を反らせることで乳房を大きく見せるとか。胸の愛撫を見せたい時は、乳首が映らないようにうまく手を動かすとか。

 つまり時代劇の殺陣と同じく、男優は女主人公を美しく見せるための斬られ役を演じるんだ。

 ただいやらしくやっても面白くない。ラブシーンで飽きられないようにするには、『えっ』という意外性、『あっ』という驚き、『なるほど』という説得力を工夫して、『エロティズム漂うムードを醸し出すアイディア』を入れながら『女性の姿態を魅力的に見せること』。たとえば、スカートの下からパンティをはがし取るのさえ見せておけば、中でどう手を動かしてもエロティックに見えるわけさ」

 伊丹十三監督の作品には、1984年の第一作『お葬式』から1997年の遺作『マルタイの女』まで十本中九本に出演している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第8回みどりの『わ』交流のつどい」で、受賞者に拍手を送られる佳子さま(2025年12月、共同通信社)
「心を掴まれてしまった」秋篠宮家・佳子さまが海外SNSで“バズ素材”に…子どもとの会話に外国人ユーザーらがウットリ《親しみやすいプリンセス》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ・BLACKPINKのリサ(Instagramより)
《目のやり場に困る》BLACKPINKのリサ、授賞式→アフターパーティの衣装チェンジで魅せた「見せる下着」の華麗な着こなし
NEWSポストセブン
3月末で「FOMAサービス」が終了する
《3月末FOMAサービス終了で大混乱!?》ドコモショップで繰り広げられた「老害の見本市」な光景、店員を困惑させる年配客たち 暗証番号わからず「どうにかして」、説明する店員に「最近の若いヤツは気がきかない」
NEWSポストセブン
「新年祝賀の儀」で彬子さまが着用されていたティアラが話題に(時事通信フォト)
《これまでと明らかに異なるデザイン》彬子さまが着用したティアラが話題に「元佐賀藩主・鍋島家出身の梨本宮伊都子妃ゆかりの品」か 2人には“筆まめ”の共通項も
週刊ポスト
真美子さんが目指す夫婦像とは(共同通信社)
《新婚当時から真美子さんとペアで利用》大谷翔平夫妻がお気に入りの“スポンサーアイテム”…「プライベートでも利用してくれる」企業オファーが殺到する“安心感”の理由
NEWSポストセブン
「講書始の儀」に初出席された悠仁さま(時事通信フォト)
《講書始の儀》悠仁さまが“綺麗な45度の一礼” 「紀子さまの憂慮もあって細かな準備があった」と皇室記者、新年祝賀の儀での秋篠宮さまの所作へのネット投稿も影響か
週刊ポスト
デビットベッカムと妻・ヴィクトリア(時事通信フォト)
〈ベッカム家が抱える“嫁姑問題”の現在〉長男の妻・ニコラがインスタから“ベッカム夫妻”の写真を全削除!「連絡は弁護士を通して」通達も
NEWSポストセブン
ニューヨーク市警に所属する新米女性警官が、会員制ポルノサイトにて、過激なランジェリーを身にまとった姿を投稿していたことが発覚した(Facebookより)
〈尻の割れ目に赤いTバックが…〉新米NY女性警官、“過激SNS”発覚の中身は?「完全に一線を超えている」
NEWSポストセブン
厳しい選挙が予想される現職大臣も(石原宏高・環境相/時事通信フォト)
《総選挙シミュレーション》公明票の動向がカギを握る首都決戦 現職大臣2人に落選危機、高市支持派アピールの丸川珠代氏は「夫とアベック復活」狙う
週刊ポスト
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したと報じられた坂口杏里さんだが…
《3年ぶり2度目のスピード離婚》坂口杏里さんの「ふっくら近影」に心配の声…「膝が痛くて…でもメンタルは安定してます」本人が明かした「59歳会社員との破局の背景」
NEWSポストセブン
笑いだけでなく「ふーん」「ええ!」「あー」といった声が人為的に追加される(イメージ)
《視聴者からクレームも》テレビ番組で多用される「声入れ」 若手スタッフに広がる危機感「時代遅れ」「視聴者をだましている感じがする」
NEWSポストセブン
北海道日高町で店の壁の内側から遺体が見つかった事件。逮捕された松倉俊彦容疑者(49)、被害者の工藤日菜野さん。(左・店舗のSNSより、右・知人提供)
「なんか臭くない?」「生ゴミを捨ててないからだよ」死体遺棄のバーで“明らかな異変”…松倉俊彦容疑者が見せた“不可解な動き”とは【日高・女性看護師死体遺棄】
NEWSポストセブン