ライフ

抗精神薬や睡眠薬が寿命を縮めるとの研究結果も存在

抗精神薬や睡眠薬が寿命を縮めるとの研究結果も

 超高齢化社会を迎えて、大幅な増加が懸念される認知症の患者に対しては、徘徊や暴力など「BPSD」(周辺症状)と呼ばれる症状を抑えるため、抗精神病薬を投与することがある。

 順天堂大学の研究チームが2011年から2013年にかけて、全国のアルツハイマー型認知症の高齢者を調査した。調査期間中に初めて抗精神病薬を処方されたグループと、まったく投与されていないグループを比べたところ、処方グループのほうが半年後の死亡率が2.53倍高くなった。

 抗精神病薬の服用開始後、2か月から2か月半の間に死亡率が高くなり、心不全や肺炎で亡くなった患者が多い傾向も見られた。

 睡眠薬が寿命を縮めるとの研究結果もある。米ペンシルバニア州に住む1種類以上の睡眠薬を処方された患者約1万人と、睡眠薬を使っていない約2万3000人を比較したところ、1年間に18~132回の睡眠薬を服用した人の死亡率は非使用者の4.6倍だった。1年間の服用が18回未満でも非使用者の3.5倍という死亡率だった。また、睡眠薬服用に伴う発がんリスクは35%増加した。

 ただし、睡眠薬は短期の服用なら問題ないとの意見もある。北品川藤クリニック院長の石原藤樹医師の話。

「最新の論文では、睡眠薬使用者の死亡リスクは非使用者と有意な差がなかった。睡眠薬の服用を必要とするケースの場合、他の持病を抱えていることが多く、睡眠薬の服用の有無よりもそちらが死亡リスクを左右する可能性は否定できない」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン