ビジネス

“勝ち組テーマパーク”は地方に存在、VRも駆使し大ヒット

2015年度は過去最高益を記録した『ハウステンボス』(HPより)

『レジャー白書』(日本生産性本部)によれば、2015年度の遊園地・テーマパーク市場は7640億円と、2年連続過去最高を更新。

 牽引しているのは、2大テーマパーク、東京ディズニーリゾートとUSJである。

 ディズニーシーはこの5月、屋内型アトラクション『ニモ&フレンズ・シーライダー』エリアをオープン。USJも4月に『ミニオン・パーク』エリアを新設した。

 ディズニーランドは今後、750億円の巨額投資で『美女と野獣』の新エリアを、USJは600億円をかけて、マリオカートなどが楽しめる『スーパー・ニンテンドー・ワールド』エリアを作る予定だ。

 だが、好調なのは2強だけではない。あまり知られていない“勝ち組”のテーマパークが地方に存在していた。

 その筆頭が『京都市動物園』。日本で2番目に古い動物園だが、小さな敷地を逆手にとって動物との距離感を縮めたリニューアルが大成功。2011年には68万人だった入園者数が2015年には120万人を突破。

「約10センチの距離でアムールトラが空中通路を歩く姿や、至近距離からキリンの食事姿を間近で見られます」(広報担当者)

 2004年に大ブームを起こした北海道の『旭山動物園』(旭川市)は、今や入園者数は最盛期の半数程度。この結果が栄枯盛衰を物語っている。

『ハウステンボス』(長崎県佐世保市)も、2015年度は過去最高益を記録した。最新のテクノロジーを駆使したVR(ヴァーチャルリアリティー)のアトラクションが大当たり。

「約30種のVRコンテンツを揃え、日本一のVRテーマパークとなりました。8月1日にオープンするVRジェットコースター『VR・KING』は、現実世界ではありえない超絶景が目玉です」(宣伝担当者)

 新幹線の開通で客足が激増した『金沢21世紀美術館』(石川県金沢市)も2015年度に過去最高益を達成。『レオマリゾート』(香川県丸亀市)も過去5年で2桁成長を記録している。

 世界一の温泉涌出量を誇る大分県別府市は2016年11月に、温泉PRのために『湯~園地』計画を発表し、泡立てた温泉につかりながら疾走するジェットコースターのイメージ動画を制作。この動画の再生回数が100万回を超えたら「『湯~園地』を実現させる」と市長が公約すると、あっという間に100万回を達成した。

 別府市は公約通り、市内の老舗遊園地『別府ラクテンチ』とコラボして、7月29日から31日までの3日間限定で『湯~園地』をオープンした。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン