普段、セックス以外は楽しい毎日を過ごしているのに、セックスのことでけんかするのはバカバカしい。セックスをするより、一緒においしいご飯を食べたり、映画を見たりする方が楽しいっていうことに気がついたんです」
かくして26才でセックスレス人生を選択してしまった橋本。もちろん23年の間には、離婚を考えたこともあったと言う。
「理由は子供がいないことです。29才のとき、今ならまだ産めるとも思ったし、30代のときにも2度ほど、まだチャンスはあるかもと考えたこともありました。でも40才を過ぎて、再婚も出産も難しくなると、もういいやってなりました」(橋本)
自身のブログに夫婦のツーショット写真をアップするなど、セックスレス夫婦とは思えないほど仲睦まじい橋本夫妻。だが、橋本は「セックスレスだから仲がいいんだと思いますよ。愛情は時に憎悪に変わったりするから」と笑う。
愛情が憎悪に変わってしまった代表例が夫・船越英一郎(57才)の浮気を疑い、“暴走”し続ける松居一代(60才)なのかもしれない。
その一方で『セックスレス そのとき女は』(中央公論新社)などの著書があるフリーライターの亀山早苗さんは、「哲学的に聞こえるけれど…」と渋い表情を浮かべる。
「夫婦関係においてセックスレスはマイナスの部分が多いと思います。セックスは愛情表現の1つなので、行為を含めて相手に触れなくなると、気持ちが離れて行く要因にもなります。
セックスレス夫婦と一口にいっても、夫、妻、どちらかがしたがっていないのか、どっちもしたがっていないのか、といったコンセンサスをはっきりさせているカップルは少ない。実はどちらかが苦しんでいるというケースもあるんじゃないでしょうか」
だが、否定派の亀山さんも「お互いが納得した上でのセックスレス」なら、松本が言う通りセックスレスでも本当の夫婦になれるかもしれないと語った。
女性の性の悩みに日々向かい合う咲江レディスクリニック(産婦人科)の丹羽咲江院長が解説する。
「普段の日常会話などのコミュニケーションの延長上にセックスがあるならメリットは大きい。一方で無理してセックスしたり、義務感で嫌々しているセックスだと心身がボロボロになってしまう女性が多い」
セックスをするにしても、しないにしても、お互いの気持ちを確認し合うことが重要であることは間違いない。
※女性セブン2017年8月17日号