国内

佐藤愛子&冨士眞奈美 なんともめでたい対談

冨士眞奈美さんと佐藤愛子さんがスペシャル対談

 おふたりとも実に元気だ。よく笑い、時々怒り、よく話す。ともにひとりで生活をしている。作家・佐藤愛子さんはエッセイ集『九十歳。何がめでたい』が93万部を突破し、2017年上半期ベストセラーランキング総合第1位に。女優・冨士眞奈美さんは『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)で演じたアメリカ帰りの元女優役が話題を呼んだばかりだ。元気の秘訣はどこにあるのか。冨士さんが人生の先輩で「憧れの人」佐藤さんにぶつけた日々の不満と不便と楽しみ──。なんともめでたい対談のはじまり、はじまり。

佐藤:『やすらぎの郷』の冨士さん、すごい評判でしたね。新聞社の人に「明日、冨士さんに会う」と言ったら、「くれぐれも、あれは名演技でしたと伝えてくれ」と、3回ぐらい言われましたよ。

冨士:うれしい。私、一度も芝居を褒められたことがないんです。大根(役者)なんで(笑い)。

佐藤:そんなことないわよ。私も見てびっくりしましたよ。これは本格的な女優さんになったなって。

冨士:私のこと? 

佐藤:そうよ。

冨士:えーっ、そんな、そんな。ほんとに大根です。ただ、酒飲みの役は元手がかかっていますから(笑い)。

佐藤:ほんとうに熱演でした。あなた、ふだん、あんまり熱をこめない人じゃないの。やっぱり、シナリオがいいとね。

冨士:ご本が素晴らしくて。全部出来上がっていて、随分前にいただいたんです。あの役は、いろいろモデルもあるみたいですけど、ほんとうの私からはいちばん遠くて、だから客観視できたのかも。

 私自身は怠け者で、アメリカへ行って役者修業しようなんてこれっぽっちも思ったことがない。家で布団にもぐりこんで本を読んでいるのが大好きなの。枕元に食べ物を置いてね(笑い)。

〈おふたりのつきあいはもう数十年に及ぶ。若い頃から佐藤作品の大ファンだった冨士さんが、佐藤さんの親友で作家の川上宗薫さんにその思いを告げたことをきっかけに、佐藤さんと知己に。約5年ぶりの再会となった今回の対談は、佐藤さんの自宅で行われた〉

冨士:これまでにご自宅には2度、伺っています。まだ愛犬のハナちゃんが生きていて、“入れて、入れて”って網戸をガリガリかじるんですよ。先生は結構、冷たくしてらっしゃるのに(笑い)、ずっと先生を見ているので、ハナちゃんはよほど先生が好きなんだなと思いました。

 だから、『九十歳。何がめでたい』で、ハナちゃんが死んだ後、先生が霊能者のかたから「ハナちゃんがグチャグチャしたご飯をもう一度食べたいって言ってます」と聞いて、どっと涙が溢れたというところを読んだら…。私、3回読んで3回とも泣いて、もう泣かないと思っても、またここに来る前に「グチャグチャ飯」のところを読んだら泣けちゃったんですよ。

佐藤:あの犬は人が好きで、お客さんが見えると、必ずそばまで来るんですよ。

◆霊能者から聞いたひとこと

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン