とくに見落とせないのは、社会保障がいまや公共事業となっていることだ。
「老人ホームは特養(特別養護老人ホーム)を含めてミスマッチが激しい。満室で順番待ちもあれば、地方の特養には空きも目立つ。それなのに政府は補助金をつけて民間のホームや高齢者向け住宅をどんどん建てさせるハコモノ行政を行なっている。将来、そうした施設の後始末をするのは孫の世代です」(同前)
安倍晋三・首相が「成長戦略」を話し合う未来投資会議で介護や医療の議論をしていること自体、社会保障を高齢者のためでも子孫のためでもなく、金儲けの種としか考えていない証拠なのだ。
※週刊ポスト2017年9月1日号